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資産・負債会計Ⅰ その2(売掛金と買掛金)

1.売掛金・買掛金とは

商品の売買において、商品の引き渡しと対価の授受が同時に行われないときに、決済されるまでに存在する債権(売掛金)と債務(買掛金)。

2.掛け取引の概要と決済の手段

商品の売買のたびに現金で決済していると、煩雑で間違いが起こりやすく、常に多額の現金を保有する必要があるために防犯上も好ましくない。
そこで、取引先と代金の決済を月末などにまとめて行うように取り決めるが、それを掛け取引という。
掛け代金の決済は、主に、現金、小切手の振出し、手形の振出しによって行われる。

3.用語の整理

掛け取引
商品などの売買代金の決済を後日行う取引。
営業債権
商品の売買など、(利益を目的とした)営業活動の際に発生する債権。例として、受取手形、売掛金。
営業債務
営業活動の際に発生する債務。例として、支払手形、買掛金。
決済
債権、債務を清算すること。

4.重要な仕訳

買掛金の発生

商品3万円を仕入れ、代金は後日支払うことにした。
借方貸方
勘定科目金額勘定科目金額
仕入30,000買掛金30,000

買掛金の決済

先月分の買掛金50万円を小切手を振り出して支払った。
借方貸方
勘定科目金額勘定科目金額
買掛金500,000当座預金500,000

売掛金の発生

商品6万円を売上、代金は掛けとした。
借方貸方
勘定科目金額勘定科目金額
売掛金60,000売上60,000

売掛金の決済

得意先に対する売掛金80万円を先方振出しの小切手で回収し、直ちに当座預金とした。
借方貸方
勘定科目金額勘定科目金額
当座預金800,000売掛金800,000

5.仕訳のポイント

受け取った先方振出しの小切手をすぐに預金口座に預けたときは、現金勘定を介さずに回収額を売掛金勘定から当該預金勘定に振り替える。

6.課題

  1. 次の取引を仕訳せよ。
    1. A社に対する買掛金20万円を、同額のB社(自社ではない)振出しの小切手で支払った。
    2. 先月発生した売掛金10万円を、現金で回収した。